金融・カード決済の歴史話。東京オリンピックとの関係

日本における金融・カード決済の歴史話は、1964年の東京オリンピックを抜きに語る事はできません。東京オリンピックの開催に合わせて新幹線や阪神高速道路、モノレール等のインフラが次々と建設されている中で、クレジットカードもまたインフラの整備が進んでいたからです。当時、東京オリンピック開催に伴い、大量の外国人観光客の訪日が予想されました。そこで、富士銀行と日本交通公社とが日本ダイナースクラブを設立し、金融・カード決済システムを整備していきます。

こうして、外国人観光客が母国同様にクレジットカードを利用できる体制が整ったのです。この動きは他社にも波及し、翌年には三和銀行と日本信販とが日本クレジットビューローを設立。これは、今では国際的に知られるクレジットカード会社へと成長しています。この頃の逸話として、日本ダイナーズクラブの提案でダイナーズクラブのカードがプラスチック化したという出来事がありました。

当時、既に他のクレジットカード会社のカードはプラスチック化が進んでいて、ダイナーズクラブもこれに倣う事になったのです。東京オリンピックを機に整備された日本の金融・カード決済システムは、やがて日本の高度経済成長に伴って、その需要を拡大させていきます。これに伴って現在よく知られる有名なクレジットカード会社がいくつも立ち上げられ、日本の経済成長の波に乗るように規模を拡大させていきました。クレジットカードの役割は時代によって様々に移り変わっていますが、現代では特典がより豪華になり、機能性も高まっています。

単純なクレジットカードとしての使い道に留まらない、より良いお金の使い方ができる選択肢の1つとして、新しい発展が進んでいるのです。